よくある質問:80年代の356レプリカがインターメカニカ製なのか教えてください
本題に入る前に、毎回よく聞かれる質問にお答えします。
■ 「エンスーの杜に1980年製356スピードスターレプリカがインターメカニカ製と書いていましたが、本当ですか?」このホームページに来られた方で一番多いお問合せです。
IM社では1980年代からポルシェ356のレプリカを世界で初めて製造しておりますが、現在のようにオリジナルチューブラーフレームになる以前は、ワーゲンビートルのシャーシを利用して製作されています。
しかしそのほとんどは「組み立てキット」として販売され、完成車として販売されたのはわずかに100台程度です。従って現在のインターメカニカ車と比較するべくも無く、内外装のクオリティ、そして走りのクオリティ、どれをとっても全く別の車と言っても過言ではないと思います。
80年代後半に入り、インターメカニカジャパン代表の故堀井氏が企画製造に参画してからは日本人ならではの繊細なクオリティのアップが施され、スピードスターは廃止し日本でも使いやすいコンバーチブルDにモデルチェンジしました。その思いは今でも2代目IM社のヘンリー・レイズナー社長に受け継がれ、年々クオリティがアップしております。のちにスピードスターの生産も復活しております。
※IMの伝道師、堀井正明氏は2009年に他界されました。謹んでお悔やみ申し上げます。
カルマンギアが教えてくれた空冷の楽しさ
■ 世間ではまだハイソカーやボーイズレーサーが流行っていた 1980年代の終わりの頃、20歳の私は初めて空冷エンジンの車を買った。それが1965年式VWカルマンギアだった。購入後数日経って発売された「Let's
Play VW」という本を毎日ボロボロになるまで食い入るように見た。その本の中で初めて「ポルシェ356」の存在を知った。
いつかはポルシェ356に乗りたい!と憧れの思いで数年…ある日、雑誌「ノスタルジックヒーロー」の広告でスピードスターレプリカが新車で買えることを知り衝撃が走る!しかしまだ20歳過ぎの私には到底手が出ない金額だったと思う。
オリジナルを余裕で超える満足度
■ それから数年して「インターメカニカ」の存在を知る。スピードスターと違い、巻き上げ式のサイドウィンドウやエアコンが標準装備で、日本では足として使いやすく理想のコンバーチブルDではあった!しかし値段もビックリするほど高かった。。。 当時はオリジナルのポルシェ356より格段に値段の高いクルマでした。
しかしオリジナルのポルシェ356を超える性能と快適性を兼ね備えたインターメカニカは私の理想のクルマであった。だが若造の私にはとても手が届かない遠い存在のクルマだったのです。憧れのままカルマンギアや、ビートル、それにアルファロメオスパイダーなどを乗り継いだ。
2003年のある日1959年型カルマンギアコンバーチブルの車検が近づいた頃、たまたま中古車屋のサイトでインターメカニカの出物に出会う。「これは縁」だと思い、翌日大好きだったカルマンギアを下取りに出し契約をしてしまった。(後に1958年式カルマンギアも購入)
■ 初めて乗ったインターメカニカ356は、今まで乗ったどのクルマにも乗り味が違っていて、これこそリアルスポーツカーだと感じた。しかも扱いやすくクラシックカー特有の気難しさなど皆無で、多少無茶な運転をしても悲鳴すら上げない優等生なクルマだった。
だから、私にとってインターメカニカがレプリカであることはどうでも良かった。なぜなら乗ってみれば「これこそが現代に蘇るザ・ポルシェ」だと感じたからだ。いや本物のポルシェよりも凄いと感じた!旧車のようにヨレヨレさやガタ付きもないし、サビも心配もいらない!他社のレプリカのように「ポルシェの恰好をしたワーゲン」のような作りの甘さや荒さもどこにもない。クラシックカーなのにこれほど気を遣わずに乗れるという幸せ!普段乗りが出来て、ロングツーリングも難なくこなせるインターメカニカは、もしかしたらF.ポルシェ博士が望んでいたクルマなのかもしれない!
「唯一無二」それがインターメカニカ
■インターメカニカをはじめ、多くのスピードスターのレプリカのメーカーが世界中にあります。またフェラーリやカウンタックにも多くのレプリカが存在します。私の大好きなカルマンギアにだってレプリカが存在します。
通常、レプリカとはまず「ベース車」が存在します。356スピードスターならビートルがベースになっています。フェラーリ308のレプリカならポンティアックフィエロがベースです。しかしインターメカニカにはベース車は存在しません!
エンジンや足回りこそ他社製を流用していますが、インターメカニカは車検証でも堂々とインターメカニカと名乗っています。つまりれっきとした自動車メーカーなのです!この凄さに気づくまでに私は時間を要しましたが、まさしくインターメカニカは他のレプリカとは一線を画す自動車づくりを行っているのです。
ポルシェスピリッツを現代に伝える唯一のスポーツカー
■街中をゆっくりと流しても楽しい。そして高速をかっ飛ばしても道路に吸い付くような足回りが楽しい。峠を攻めてもダイレクトに反応するエンジンが楽しい。何時間何年見ても飽きないクラシックなスタイル。こんなにオールマイティなクルマってそうそうないと思いませんか?
カッコいいクラシックカーだけど、普段乗れないし遠くへ行けない。めちゃくちゃ速いスーパーカーだけど高速道路は1時間走ったら水温が上がっちゃって。雨の日は錆びるから絶対走らせられない。インターメカニカにはそんな問題が一切ないのです。
私のインターメカニカは1992年式ですので25年経っていますが今でも新車の輝きは失われていません。いまだに「このポルシェはフルレストアしました?」って聞かれます(笑)
一般的な旧車なら2度ほどレストアしないといけないと思いますが、ノンレストアなのにまるで新車のようです!(多少は大袈裟ですがw)
それほど質感が高く仕上がりが素晴らしいと思っています。あと20年は余裕で走れそうです。とても満足しています。もちろん正規ディーラーが東京にありますのでパーツの供給に困ることがないのです。クラシックカーと考えても大変優秀なクルマなのです。
更新情報・お知らせ
2022/10/17インターメカニカ社はエンジン車並びに電気自動車の生産をすべて終了しましたので新車は手に入りません。